こんにちは。TAKUMI自動車の杉野森です。本日はこれまた、イレギュラーなエアコンコンプレッサーの異音から、テンショナーの交換に至った修理事例のご紹介になります。こちらの車両。当店入庫後より、エンジン内部からの「ジーーー」という、マフラーの遮熱版が振動しているような異音がしておりました。そこで点検してみると。エアコンのコンプレッサー内部から細かい打音が聞こえたので、まずはコンプレッサー新品交換となりました。この際に、ついでなのでベルトも新調。(このR56 55系 N14エンジンのベルト交換は大変な事で有名。バンパー、パイピング、左フロントインナーフェンダー、左右ヘッドライト、ボンネット内部のストライカーとボンネットワイヤーを通しているステー?まで外して、ようやくテンショナーにアクセスできる。)これで確かにコンプレッサー異音は収まりましたが、今度は何故か「ギュルギュルー」という良く聞く、ベルト鳴きの症状。「???」ベルトも部品屋から品番合わせて取った正規品だし、オートテンショナー式なので、調整の不良というわけでもなく。。。
じつはこのMINIのベルトですが、適正品番が2種類あります。「6PK609」と「6PK584」です。6PKの後の数字。ここでは「609」「584」はそのままベルトの長さをmmで表したものになります。つまり、長さが2cm程違うベルトが2種類純正品番であるんですね。
通常、車体番号から部品を検索した場合、このどちらのベルトか?というところまで調べれば出るはずなんですが。今回、コンプレッサーを交換したということもあり、とりあえず短い方を再注文。交換してみる事に。
そしたら、新品コンプレッサーでもまた同じく「ジーーー」という打音発生!!どゆこと??となります。
結論は、オートテンショナーの劣化による張力の低下から、ベルト鳴きがどこかで発生。これを当店に来る前のどこかの車屋が、無理矢理「6PK584」でベルトを短くする事でイレギュラー対応。ベルトが短くなってコンプレッサーの軸に負担がかかり、コンプレッサーの異音という機序です。
ここまでいろいろしてようやく本当の原因が判明。テンショナーの新品交換となりました。
左が取り外した古いテンショナー。右が新品です。
取り外す前の、テンショナー。隙間が少ないので、作業しにくく見えますが、ベルト交換のついでにさらっと交換してしまえるようなものです。
テンショナーを新品交換して、ようやく静かな普通のエンジンに戻りました。こうして四苦八苦してようやく治すと。大変ですが、やりがいもありますね。